CDreview 2013


2013年ベストアルバム    

第1位

★★★★★

第2位 

★★★★★

第3位 

★★★★★

 第4位

★★★★☆

 第5位

★★★★☆

第6位 
 
★★★★

第7位 

★★★★

第8位 

★★★★

第9位  

★★★☆

第10位 

★★★☆

【Rewind 2013】
名作不在と嘆いた上半期。終わってみたらザックザクwww今年は豊作だったww
しかも上半期のアルバムのスルメ感もあり、どんどん味が出てきた。
今年はオーディオ(ヘッドホンやイヤホン)の記事を書いたりもしたので、音源ソースは色んなジャンルを
数多く聞いたんだなあ、とズラッと並んだアルバムの数をみて、しみじみ実感しています。
トップ10入りを逃した作品(特にボウイとポール)も良作だった。
さて、ランキングは年末恒例の微妙な星の見直しも入り、最終結果は以下の通り。

@アヴィーチー
ちょうどEDMブームがうざってえな、という風潮と、最近ガツンといった作品がないなというタイミングで
自分の中でも一気に突き抜けたアルバム。ロックというくくりではないんだけど、これはジャンルで語っては
いけない名作だと思う。

Aジェイク・バグ
才能あふれる片鱗をみせたデビュー盤から1年。わずか1年でよくぞここまで。
シンプルなことが逆に新しかったデビュー盤。そこから確実に大きくなっていることで変化が足りないという
的外れな意見があるが、このアルバムのクオリティとは全く関係ない次元の話である。

Bエミネム
スリムシェディの回帰に賛否両論あるものの、純粋に音楽としてみた時のクオリティは限りなく高い。
エミネムに2周目があるのだとすれば、音楽が好きな人間は、有無を言わず付き合うべきなんだろう。

Cダフト・パンク
かつてないほどのスルメ感。聞けば聞くほど良くなってくる。そんなわけで、上半期から☆プラス。
アヴィーチーと同様にEDMへの痛快なカウンターパンチだった。

Dシガーロス
良作なのは間違いないんだけど、下半期になるにつれ、ちょっと聞く回数が減ってしまった。
へヴィな分、スルメ感が少なかったんだろうか。

Eアークティックモンキーズ
本気でロックシーンに二度目の風穴を開けてくれると思った作品だけに余りにも惜しい。
それでも世間的には十分だったようでベストに推す声も高い。個人的には辛口でこの順位。

Fヴァンパイアウィークエンド
キャッチーなくせに味が出てくるという良いとこどり。期待の中堅から、完全に脱皮したことを感じた。
もはや世界を相手にできるバンド。フジのパフォーマンスでサカナクションを逆転。

Gサカナクション
間違いなくサカナクションをメジャーレベルで周知させたアルバム。
これを狙ってやったのだから、その彗眼とシーンを読むセンスには恐れ入る。音質もgood。
ちょっと国内では頭一つ抜けちゃって、比較対象がいない状態。

Hディスクロージャー
世界のエレクトロの最先端はこうですよ、と教えてくれたアルバム。
新しいものが出てくる時はいつもわくわくする。

Iモービー
これは完全に自分の好み。他の人には、全く参考にならないだろう。
Beckのシーチェンジとか、こういう感じのアルバムが聞きたくなる時がある。

【ヘビロテ なう】
シングルのお気に入りも紹介したいってことでここ最近のヘビロテの曲を、
随時更新型のスタイルでちょこちょこのっけたいと思います。

今回はこの曲。

グリーンデイのビリーとノラジョーンズのコラボ。抜群に相性が良いと評判のコンビ。


New Order
Lost Sirens
   
 
私的採点:★★★ 

新作ではない。
旧作から漏れた作品の巻き直しである。

ある意味、フッキー抜きの状態なら
そっちの方が良かったとも思ったし、
出だしは、漏れるにはもったいないな、と思う曲ばかり。

が、後半になるにつれ、
ちょっと、あれ〜?
やっぱりアルバムに入れるには厳しいか〜?

新作を製作中という話もあるし
どうなることやら。

 
サカナクション
sakanaction
 
私的採点:★★★★ (上半期3位  年間8位)

バンド名を冠したセルフタイトルのアルバムは
通常、デビュー盤で使用されるものである。

しかし、デビュー後にそれを行う作品には
並々ならぬ決意と、満足度、
「このアルバムこそが我々だ」という思いが溢れている。

ビートルズしかり、ブラーしかり。
サカナクションの場合は、意図的にこれをやってきた。
今まで敬遠していたメジャーでのタイアップなども含め
ここぞとばかりにメインストリームに
今作を叩き込んできたのである。

しかも、音の方は、前作までの変化に対して
初期の頃のダンサンブルで、宅録チックな細かいエフェクトを
あざといほど入れ込んでいる。

こうした場合は、表層的には受け入れられても
結局、すぐに聞き飽きてしまうアルバムになるのがオチだが
今作の場合は、むしろその逆。

キャッチーでありながら、懐が深く
一聴しただけでは全体像さえ掴めない。
このアルバム、というかサカナクションのようなバンドが
今現在、日本でこれほどまでに受け入れられているという事実は
これまでのシーンではありえなかった。

iTunesのような、一般層とマニア層が混在するネットワークで
それだけの受け皿が育ってきたということだろう。

サカナクションにとっての今作は、
これまで蓄えてきた全てを昇華させたアルバムだ。
それが評価されないはずはない。

 
The Strokes
Comedown Machine
 
私的採点:★★★☆ (上半期10位)

前に、リンキンパークのアルバムで言ってきたことを
ストロークスがやってきた。

これまでの固定観念や、らしさを捨てるなら
一旦、振り切る所までいかないとダメだ。
ジュリアンのソロの頃から、この兆候はあったが、
イントロのヘロヘロなエレポップ全開さはどうだ。

恐らくは、8割くらいのファンには
ガッカリなアルバムだろう。
前作に続いて、またもやこんな不完全燃焼。
「俺たちのストロークスはもういない」なんて
嘆いているのが目に浮かぶ。
実際、バンドの状態は危機的だという報道すらある。

しかし、今作は前作とは違う。
行く所まで行ってるのだ。
その分、アルバム全体を通じて迷いが無い。

こうなってしまうと、あとは聞き手が
受け入れられるかどうか、だけだ。
今回、個人的にはOKな出来だと思う。

2011年のサマソニで見たLIVEは素晴らしかった。
いまや、このアルバムが
どのように演奏されるのかが楽しみでならない。

 
David Bowie
The Next Day
 
私的採点:★★★☆ (上半期8位)

10年ぶりの新作ということで、
世間は激賞の嵐だ。

デヴィッド・ボウイ66歳が
あの挑発的な歌い方で、2013年をぶったぎる。
そんなキャッチコピーがハマる作品。

世代なTVマンや、英国の番組なんかでは
随所に挿入歌として流されることだろう。

ボウイの歌は、中毒性がある。
そう、つまり毒でもある。
毒に侵された人間には、この作品は否定できないだろう。

あらゆる所に隠された、エンジニア連中の仕事っぷりも
大御所ならではの味わいだ。

聞くほどに味が出るし、聞こうと思わせるだけのパワーもある。

唯一、面白いのは、80年代、あれだけカメレオンと言われ
コロコロとアイデンティティを変えた道化師が
いまやデヴィッド・ボウイ=オンリーワンとして
存在していること。

 
FOALS
HOLY FIRE
 
私的採点:★★★★ (上半期4位)

前作出たの、こないだかと思って見直してみたら
なんと3年前だった。
いやあ、年取るのはやいなあ。

2枚目で内向きになったFOALSは、
方向性はそのまま、もっとダイナミックになった。

海から荒野へ。
何故か前作のファンは、今作に厳しい見方するけど
俺はむしろ逆だと思うんだけど。
なんか日本のロックファンて
レディオヘッドを間違った捉え方してる人も多くて
分かりづらいほど良い、みたいな勘違いしてる場合がある。

純粋に剥き出しの音楽だけを味わえば
理解度のしやすさは関係ないと思います。



StereoPhonics
Graffiti on train
 
私的採点:★★★

上手い。そして渋い。
キャッチーかどうかと言えば、それを求めるのは酷。

CM向きではないが、映像の抒情感を出すにはピッタリ。
そういう意味で売れ線から外れると
レコード会社としては売り出しにくくなったなあ。

でも、ステフォは、絶対に無くなっちゃいけないバンドだし
その声を聞けば、スコッチを飲みたくなるような
気分にさせられてしまう。

満点を狙うようなアルバムは必要ない。
このまま続いていくことこそが
彼らの正解なのだ。


RHYE
WOMEN
 
私的採点:★★★☆ (上半期6位)

うたい文句がシャーデー×JAMES BLAKEだっけな?
まあ、なんというか
上手いこと言うなあ、と。

まさしくそんな感じなんだよね。
男女じゃなくて男の二人組なんだけど。

よく「女の子でコレ聞いてるとセンス良いな」とか
「彼女に聞いていてほしい」と求めるのに
ピッタリな感じか。

アブリルだと10代っぽいし、ADELだと渋すぎる。
RHYEは・・・・
まあ、渋いか(笑)


JAMES BLAKE
Overgrown
 
私的採点:★★★☆ (上半期9位)

全世界が注目する二枚目は
当然のことながら、衝撃度は薄れてしまう。
それを打破する為に、一気に方向転換する
アーティストもいるけれど、
最近のアーティストは足元が揺るがないね。

音響的には、より一層のエフェクトをかけたりして
ヘッドホンで聞くと、背筋がゾクッとするほどだ。

もはや、ジャンルとして確立できるだろう
JAMES BLAKE。
フォロワーアーティストとか出てきて
クラブイベントとかしそうな感じ。

実に、正しい二枚目の姿。
一枚目の延長線です。



Delphic
Collections
 
私的採点:★★★

ジャケットからして、急に泥臭くなったなあ。
音の方も、その辺を感じる。

だから、逆にこれまでのエレクトロっぽさが
新鮮に見えるという不思議。

やり方としては上手いけど
ちょっと、方向性というか
目指す先が見えにくい。

LIVEを見たことがないので
どこかで見れば、評価が変わるかも。


Atoms For Peace
AMOK
 
私的採点:★★★

ようやく出たAtomsのアルバム。
よく考えたら、一枚もアルバム出して無いのに
ロックフェスのトリとか2年も務めてたんだなあ。

最近はフリーの方がソロでトムの影響受けまくりで
大丈夫なのかと不安になるけど
やっぱりアトムズでもトムの要素が強い。

まあ、スーパーバンドつっても
みんなの個性を殺さずに、レディオヘッドの
NEXTを考えようって感じだしね。

個人的には、結構待ってたアルバムだけど
時期を逸した感があって、
あんまし、聞きこんでない。
11月の来日前に聞き直してみます。



Daft Pank
Random Access Memories

私的採点:★★★★☆ (上半期2位  年間4位)


参りました。
iTunesで聴いてガッカリ。
そして試聴機で聴いて、ガッカリ。

自分でもなんで買ったのか分からないくらいのテンションで
夜中に仕事をしながら聴いていたのだが、
これは良い。

そう、思い切り身構えて向き合っちゃうから
本質を捉えることができなかったのだ。

古くさいムードエレクトロの焼き直しにあらず。
むしろ流行のEDMを
「EDMってDJが作ってるのかと思ってたよ」と
笑い飛ばす、同じような曲調ばかりのエレクトロシーンへ
ダフトパンクが放つ痛烈な一撃。
(EDM世代はダフトパンクチルドレンなんだけどね)

思わず、3周ループで
アルバムをぶっ続けで回してしまった。


Phoenix
Bankrupt!

私的採点:★★★☆

アジアンテイストというか
やや古臭いポップセンスを意図的に取り入れた良作。

分からない人はセンス良く
分かる人にもダサカッコいいと感じさせる
ちょっと反則気味な手法だが
聞きやすく、飽きにくい、ニクイやつら。

車内とかで流すと、気分良くいられるし
邪魔になるほどの主張も無い。
まあ、脂っこい音がガツンと聞きたいという人には
無理だろうけど。
ジャケのセンスだけはいただけない。



Owel
Owel

私的採点:★★★

キラキラ全開ながら
しっかりとしたバンド音源を感じる。

名前を変えて、再出発という
バンドの経緯を聞いて、妙に納得。
デビュー盤にしては味がありすぎる。

実力に疑いの余地はなく
こうした曲を聞きたいという欲求には
完璧に応えてくれる。



Vampire Weekend
Modern Vampieres
Of The City

私的採点:★★★★ (上半期5位  年間7位)

デビューから3枚目。
たしかに変化はある。
ダークさというか、怪しげな感覚も含め
表現の幅は広がっている。

しかし、裏切らないというべきか。
世間がそう、評価しているのだから
そうなんだろうが
それこそがヴァンパイアウィークエンド節。

ぶれないのは、しっかりとした幹ができているからだろう。
何年かしたら、方向転換を迫られるのかも知れないが
ストロークスとは対照的な歩みを進めていると
言えるだろうバンド。



My Bloody Valentine
m.b.v

私的採点:★★★☆

変わっていなかった。
あれから22年経っているのに。
時代の流れを無視できる音がマイブラの真髄。

そして、多分1年でこのアルバムを消化するのは
俺には無理だろう。

22年は必要ないと思うけど、少なくとも
1、2年はかかると思う。
分厚い小説を買ったような気分だ。
読み終えるまでどのくらいかかるだろう。

もしかすると、数年後に
伝説になるかも知れないが
いまは、難しすぎる作品。



Sigur Ros
Kveikur

私的採点:★★★★☆ (上半期1位  年間5位)

これまでのシガーロス史上、最もへヴィで
キャッチーなアルバムだと思う。

しかし、キャッチーだからと言って
聞きやすいとは限らないのが
アイスランドのコワいところ。

しかも、オーディオ環境次第では
音の繊細さと深みが伝わらず
薄い楽曲に聞こえかねない。

なんとも繊細な作品である。
しかし、実に美しい。
メンバーの脱退が理由で音に変化が出たとは思わないが
シガーロスが、どうしてロックフェスに呼ばれる存在であるか
シガーロスの本質とは何なのかが凝縮されている。

シガーロスの最初に一枚には全くお勧めできない
聞きこんだ人のみに受け入れられる音。
個人的な思い入れが強く出てしまう評価。
それが、この Kveikurだと思う。



BEADY EYE
BE

私的採点:★★★☆ (上半期7位)


作品自体の完成度は前作を遥かに上回る。
なんせ、ノエルがあれだけの完成度の高いアルバムを
さらりと出してきた後だ。

さらに、自分たちの幅を広げるという意味でも
LIVEでのバリエーションという意味でも
自由度は増していたはずである。

事実、OPのレベルの高さやサイケ感は秀逸の極み。
しかし、そこに感じるのは、上手いプロデュ―サ―の存在。
それ以外にはないのである。

リアム達を上手に料理して、実に美味しく仕上げている。
それがBEADY EYEなのだろうか。
良いアルバムなのだけど、素直に喜べない。



下半期スタート



PETSHOPBOYS
Electric

私的採点:★★★☆

サマソニにPSBが出るということで、フジロックの帰りがてら
タワレコで試聴。

・・・・いいじゃないか。
元祖エレクトロの寵児だけあって、まさに直球。
自分たちが確立したジャンルなら、
変に捻りを入れる必要はないってことだ。

そして、それが一切、古臭く感じないのは
姿勢というか、方向性が、一貫して攻めだからだろう。
テクノロジーの中で、やれることやってれば
最先端な音になっちゃうという
PSBの凄さを実感。



TRAVIS
Where You Stand

私的採点:★★★☆

大した宣伝もなく、ぬるっと発売されてたトラヴィス。
90年代後半に、じわじわと人気を博し
日本でもブレイクしかけたものの
来日キャンセルと自身の作品の低迷期も相まって
ブレイクし損ねたトラヴィス。

円熟期に達しながら、前作でひと皮向けて
今作は、安定の出来。

今さらながら、00年代中盤からのダメ時期が
悔やまれる。
サブステージのトリとかが定位置になっちゃったからな〜。
実力は疑いようも無く、フジとかでは呼びやすい感じになってる。



ASIAN DUB FOUNDATION
The Signal And The Noise

私的採点:★★★

ADFのLIVEは外すことがほとんどない。
参加すればお祭り騒ぎで楽しめるはず。

そんな鉄板のADFだが、今作はオリジナルメンバーも戻り
渾身の一発・・・とはなってない。

どことなく消化不良が漂うイメージ。
LIVEなれば爆発するのかも知れないが
結構、期待してただけに、どうなんだろう。
エレクトロ感の溢れる境地を模索した曲もあり
実験性は評価できるんだけどね。


NIN
Hesitation Marks

私的採点:★★★

衝撃の復活作。
もちろん、NINらしい展開で
トレント・レズナーの暗く、内向的ながらも
筋肉質に変貌した音がある。

全体のクオリティーからすると
ちょっとデコボコ感が否めない。

良質な曲に埋もれて
難解すぎる、独りよがりな(もともとそういうバンドだけど)
曲もあったりして。

まあ、それこそNINらしさという意味では
完全にNINですよってことで。



The1975
1975

私的採点:★★★☆

サマソニではチェックしてなかったけど
期待の新鋭。

EPが良かっただけに
アルバムは、もうちょっとエレクトロ色が
薄くても良かったかも知れない。

ちょっと一発屋で終わっちゃいそうな雰囲気もあり
デビュー盤としては上々なんだけど
この先が不安な感じです。


Babyshambles
Sequel to Prequel

私的採点:★★★

まあ、期待していた通りの音。
ピートの音。

それを上回るでもなく、下回るでもない。
メロウなリバティーンズを求めている連中には
ずーーと、アルバム全体を通じて
それが味わえる。

それ以外も欲しい人には
残念ながら、何もない。

アルバムとして買うより気に入ったシングルだけ
聞けば満足しちゃいそう。
それこそがリバティーンズを渇望する原点なのかも。



FranzFerdinand
Right Thoughts,Right Words,Right Action

私的採点:★★★

安定のクオリティです。
思えばフランツは大コケすることもなく
アルバムを順調にリリースしてきてる。

毒っぽい要素も含んでるし。
でも、長ーい目で見れば
自分たちのカラを脱却できてないってことにも見える。

そろそろ、ネクストフランツが見てみたい、
と思うのだが、
それを望まない多くの一般的なリスナーには
大きなお世話なんだろうなあ。



Glasvegas
Later...When the TV Turns to Static

私的採点:★★★

デビュー時の感覚が戻ったアルバム。
・・・・・・
お世辞にも二枚目は前進とは言えず
そして三枚目は早くも原点回帰。

やばい流れだ。

今年の下半期は辛口レビューが続くが
それも昨今の洋楽不況に関係しているのかも。
クロスビートは月刊化を辞めて、
残ったのはロッキンオンのみ。

こんな調子じゃ洋楽界に未来はない。
(邦楽もだけど)
頑張れ、若手のバンド達。



ArcticMonkeys
AM

私的採点:★★★★ (年間6位)

今回のアークティックモンキーズには
正直、満点を期待していた。

先行リリースの1.2はその資格が十分にあったし
このアルバムは歴史に残るレベルになると思ったもんだ。

だが、蓋を開けてみれば
どうにも釈然としない出来。

たしかに悪くはないのだが、
なんか違う。

もっとやれた。もっとふっきれた。
デビュー以上の衝撃を、違う形で叩きつけられるはずだった。
上手くやりすごしちゃったおかげで
4ツ星なのに、消化不良です。



MGMT
mgmt

私的採点:★★★☆

思えば、前作はリリースされた当時は
絶賛の嵐だった。
なのに、今作が出る直前には失敗作とみなされている。

雑誌やネットの評価なんてそんなもんだよな。
おれは、最初から、今に至るまで前作が好きになれない。
で、今作は・・・・。

うううううん。
なんて評価が難しい作品なんだと、首を傾げざるを得ない。

良いとは思わないんだけど、
悪いとも思えないんだよね〜。

こういうのを聞くと、
まだまだMGMT自体もぶれてるんだな〜と感じます。



Avicii
True

私的採点:★★★★★ (年間1位)

なんというか、ようやく久々に
満点つけられるアルバムに出会ったって感じ。
ちょっとホッとした。

流行りのEDMということで
そこに迎合はしたくないんだけど、
ちょうどいい塩梅でEDMから距離を置いた音作り。
この辺が実に心地よい。

こうしたシーンの移り変わりは置いておいても
作品全体に渡って際立つメロディセンス。
2013年に、これよりもっとすげえアルバムが出てたら
満点はあげられなかったかも知れないけど
少なくとも、現時点ではクオリティで他を凌駕してる。

引き出しも多く、全編通して全く飽きることも無く
彼の才能の豊かさが浮き彫りになるばかり。
とりあえず、暫くはアヴィーチーに救われることになりそうです。




The Strypes
Snapshot

私的採点:★★★

最後のロックンロールバンド。
そんな触れ込みで、滑稽にすら映るほど
ストレートなロックンロールを鳴らしまくる。

ちょっとだけ、ピストルズのパンクムーブメントに似た所があるのは
意図的に、ロックリバイバルを試みている所だろうか。
ストロークスの時のような自然発生型じゃないんだよ。

とはいえ、ロックに飢えた時代で
これだけ良質なロックを鳴らせるバンドも
他にはなくなってきたので
大事に育ってほしい。



Kings of Leon
Mechanical Bull

私的採点:★★★☆

良くも悪くもやっぱりKings of Leon。
どこを切ってもアメリカのテネシーを感じる。

それだけにアメリカに対しての思い入れが
強くないと本質を捉える事が出来ないバンドだ。
ただ、それは国籍に関係なく、という点が
彼らの凄い所なんだと思う。

今作は力まずラフ過ぎず
グルーヴを強調している作品で、
どんな時でも安定しているバンドなんだと
つくづく感じさせられてしまう。


Paul Mccartney
NEW

私的採点:★★★☆

全曲が素晴らしいとまでは言い切れないが
このアルバムにポールが本気で取り組んだ姿勢が伺える。

ビートルズ後期の頃のようなサイケな感じと
ポールが本来持つポップな才能を組み合わせ
なおかつシニカルなリズムも取り入れられている。

ボウイの新作もそうだったけど
ここにきて、彼ら世代の本気が感じられるアルバムが続くのは
非常に嬉しい。

中でもクイニ―アイやツアータイトルのアウトゼアーなんかは
アンセム的な要素も漂い
ポールマッカートニーの人生の軌跡と言っても良い。


LINKIN PARK
Recharged

私的採点:★★★

リミックスなのが悔やまれる。
むしろこっちをオリジナルアルバムとして出すべきだった。
まあチェスターのロック性がそれを受け入れるかどうかは
微妙だけど。

リンキンはデビュー以来、変化を好んできたバンドだった。
それだけに前作、というかこのアルバムのオリジナルである作品で
中途半端に吹っ切れて戻ってしまったのが気に入らなかった。

この作品は完全にエレクトロだが、それをオリジナルとして出すぐらい
突き抜けてくれれば面白い。
その証拠に、この作品の完成度の高さと言ったら。
かえすがえすも、これをオリジナルにする勇気が欲しかった。
それだけに渋めの採点です。



Settle
Disclosure

私的採点:★★★☆ (年間9位)

凄まじいほどの音の情報量に包まれたアルバム。
ヘッドホンやイヤホンの試聴用にも使えるほどだ(笑)
その音響効果だけでなくもちろんメロディも素晴らしく
非の打ち所は無い。

それなのに星の数が微妙に届かないのは
やっぱりもう一つ何かが足りない・・・
というか、それがあれば最高に素晴らしいものになると
伸びしろがわかってしまうから。

これをLIVEで、どう表現するのかは気になるが
ここからさらに化ける可能性を感じる一枚。


Eminem
The Marshall Mathers LP2


私的採点:★★★★★ (年間3位)

タイトルからしてあの名作の系譜を
意識しているのは間違いない。
そして、見事にそれに応えている。

過去の名作にあやかったセールス狙いではなく
過去との決別を意識した訳でもなく
単純に、それの続編に相応しいクオリティが
できたのでパート2を作ったよという所か。

エミネムは時代的に
すっかり終わったコンテンツだと思っていたが、
逆に彼こそが唯一無二のキングだと思い知らされた。

ラップの本質であるリリックはもちろん
メロディも重視ししたことで
より音楽としてのクオリティは高くなり
ラッパーからミュージシャンになった感がある。



Washed Out
Paracosm

私的採点:★★★☆

不思議な一枚である。
理由はよく分からないんだけど夏を感じる。
それもジリジリとした真夏の熱でなく
去ろうとして、儚く熱を帯びた感じの季節感。

ちょっとサイケデリックな雰囲気も漂い
とらえどころのない音像ではあるものの
全編を通しての一体感なんかは素晴らしい。



Jake Bugg
ShangriLa

私的採点:★★★★★ (年間2位)

前作から間髪入れずにリリースされた作品ということで侮っていた。
10代の1年は、我々の5年に相当するのだろう。

デビュー作が年齢に見合わぬ渋い内容だっただけに
今作の方が若々しくエネルギッシュな感じがする。
にも関わらず、成長の跡が見て取れるだけでなく
一発屋などではなく、
真の一流アーティストであることを照明した傑作。

リリース直後にして評価が真っ二つに分かれるこの作品だが
批判的な理由は音楽性そのものではなく
デビュー後にスター化してリック・ルービンなんて
大物プロデューサーを起用したジェイクが
英国の庶民的なテーマを歌うのが気に入らないという論調らしい。
(シャングリラはリックのスタジオ名と同じ)

これだから、格調高い批評家様の意見は当てにならない。
ヒットを飛ばしてセレブ化したアーティストはゴミ。
本物はボブ・ディランだけ。と、でも言ってりゃいいさ。
音よりもアーティストの背景をみてたらゴシップ紙とおんなじなのに。
驚くべきメロディーセンスと絶妙な歌声がミックスされた今作は
そんな批評家の意見を鼻で笑うような爽快な一枚。
必聴です。


Peal Jam
Lightning Bolt

私的採点:★★★☆

前作で、それまでのキャリアに絡み付いていた
大勢と戦うバンドというしがらみから開放されたパールジャム。

グランジという言葉が一人歩きして
カートコバーンとの確執騒ぎから、唯一の理解者にまでなった
エディにとってみれば、今作は真の意味で自由なアルバムになったと
言ってもよいだろう。
もう、グランジという枠組みでくくられることもない。

たしかに目新しさなんかは無いけれど
そんなものはどうでも良い。
ロックンロールの信念がこのアルバムにはつまってる。



ArcadeFire
Reflektor

私的採点:★★★☆

相変わらず単純なアルバムではないので
聞きごたえがある。

そして適度に捻った中に
遊び心やメロディが詰め込まれてる。

多分、日本人受けするかっていうと
そこまでではないんだろうけど
海外の音楽通は絶対に好きなはず。

これは国内外で評価が分かれる作品だろうなー。
レベルの高さという点では、2013年で随一かも。




JustinTimberlake
The20/20Experience

 
私的採点:★★★

いやー絶賛されてますね。
確かに、待たせただけのクオリティはある。

話題性とレベルのバランスが取れており
期待に応えただけの評価はされるべきだ。

まあ、こう言っちゃ身も蓋もないんだけど
あんまり好きな感じじゃなかったんだよね(笑)

グラミーは取るかも知れないけど
インシンクのPOPの衝撃から
俺の中でジャスティンは変わってない。


 
Moby
Innocents
 
私的採点:★★★☆ (年間10位)

かつて時代の寵児だったMobyも、
すっかりシーンの流れとかは無関係。
やりたいことやって良い状況のアーティストになっている。

いったん、ブームの火付け役になってしまうと
それを牽引する重責を担うが、
Mobyはその役目を終えたのだろう。

おかげで壮大なスケールのエモ―ショナルアルバムが完成。
こういう作品は、どんな場合でも
ある程度のクオリティには見えるが、そこから抜け出すのが難しい。
その中で、メロディラインが琴線に触れるかどうかで
好みが変わってくるため、これは良作だと思った。


 
KingKrule
6Feet Beneath
the moon
 
私的採点:★★★

サイケでロックでメランコリー。
グラスベガスとXXを足してニで割った感じ。

ちょっと器用貧乏な感じで
もう少しオリジナルさを前面に押し出してほしい。
新人のくせになんか落ち着きすぎかな。

まあ、最近は大人びた新人が多いんですが。
その典型。

 

TOKYO No.1 SoulSet
try.:angle
  
私的採点:★★★

One Dayがかなりツボだったこともあり
期待が大きかったが、まあ、それなりのアルバム。

何故だか懐かしい雰囲気漂うリズムと
リリックなのだが、全体のテーマが
こぢんまりしてしまった。

曲の一つ一つを切り取っていけば良いのだろうが
アルバムとしてスケールがちょっと小さい。