1 Fuji Rock Festival 2010 2010.7.30〜8.1 at 苗場スキー場
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2日目 7/31

AM 9:00。
驚いたことに、昨日の夜、あれだけ重かったはずの足は、ウソのようになんともなくなっていた。
風呂でしっかりとマッサージしたのが効いたのだろうか。

外を見ると、天気は昨日の朝と同じような雲が出ている。
携帯のスポット天気を見ると、降り始めは昼過ぎくらいからのようだ。

ここで、驚きの成果を見せた「防水シューズ」に触れておこう。

泥に関しては防ぎようがないものの、昨日の雨やぬかるみに対して、なんと被害ゼロ。
帰って靴を脱ぐと、カラッカラの靴下がオレを迎えてくれた。

これは、いわゆる登山用の「完全防水」モデルじゃなく、山を『走る』用の、発汗性と中程度の防水機能を両立させたモデル。
おかげでムレもほとんど感じず、防水性も求めた以上の結果。これは残り2日間もバッチリじゃないか。

そんな『完全体』を手に入れたオレを見たツレが「実は昨日の帰り際から、ノースフェイスが・・・染みてきた」と衝撃の告白。
『完全体』の中でも一際、存在の大きなノースフェイス。それが3年でヘタったと言うのだ。
・・・オレの『完全体』ボディもいつ、破綻をきたすか分からない。
これに浮かれず、気を引き締めるとしよう。

さて、そんなこんなで2日目。とりあえず朝飯に。と

去年、ちょー人気だったクロワッサンそふとを買った。
なんと今年は13種類のアイスが選べる上、31アイスとのコラボらしい。
あんまり綺麗じゃない屋台なのに・・・。
まあ、味は絶品。これはお墨付きで美味い!

んで、腹ごなしがてらマーキーに行くと、日本語の歌詞が。
トライセラだ。へ〜、ぶっちゃけちゃんと聞いたの初めてだったけど、そんなに悪くないな。


えらそーな感想を述べながら、超楽しみにしてるジョンバトの、始まる前のグリーンに行くと

うわ、ガラガラ。
・・・おかしーなあ。ジョンバトはフジっぽいと思うんだけど。
まあ、まだ30分以上時間あるし、ということで、もっかいマーキーへ。

名前は知ってたダーティープロジェクターズ。
けど、おれが思ってた感じと違った。
いあや、悪い意味じゃないんだけど・・・上手く言えないけど
そん時の気分は・・・「ラーメン食いたいのにうどん屋しかなかった」みたいな感じ?

な、わけでちょこちょこっと見て、またグリーンへ戻ることにした。

で、見た光景がコレ。

やっぱしフジロックだなあ・・・・・・。お前ら知ってるよね、フェスの愉しみ方。

こうして期待に胸を膨らませたジョンバトラーのLIVEがスタート。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハンッパねえ・・・・・・・・・・・・。
それは、ギターが鳴らされた瞬間の鳥肌で分かった。
なんだコイツラ。バカテクだ。早すぎてどうやって弾いてるのか見えない。
とりあえず、昼を回ってようやく目が覚めた感じだ。

オーシャンが鳴らされた瞬間の、あの感じ。苗場の山の中でオーストラリアの海の音。
すごい・・・・。これはすごい。後にmixiのフジコミュでこのLIVEをベストアクトに挙げた人間の多さ見ればそれも分かる。
リズムがアップテンポになると、後方の連中が次々にその辺りで始まった「好き勝手なダンスステージ」の輪に加わっていく。

・・・ああ・・・やっぱり、このバンドはフジっぽい。こういうの・・・。
所々で肩車されて、歓声を挙げる女の子たち。メタルやロックの予定調和のタテノリじゃない。
ホントに”そのとき生まれる音楽”で体が動く。

鳴り止まない歓声。ジョンバトラートリオ。オレの2007年ベストアルバム 堂々の第一位は、2010年のフジでようやく立証された。

 
あったまった所で、そう「ドラゴンドラ」なのです!
フジに何度も来ていながら乗ったことない人多いでしょう。つーか乗る人のほうが少ない?オレも今年が初挑戦。
マーキー後方のチケット売り場でチケを買うと、一旦道路に出て、登り坂へ。
うええ。ゴンドラに乗るのに登り坂か・・・。乗り場まで割と長い道のりだった。

 
注意書きを見ると「22分!?」
そんなに乗るの!!?

ちょっとビックリながらゴンドラへ。
 
ゴンドラからの景色は圧巻。グリーンステージやホワイト。さらにはオレンジやアヴァロンまでフジの全貌が順番に見える。
乗ってすぐに雨が降り出したが、関係なし。この景色はすごい。
 
 

頂上に着くと、雨は止んでいた。
 
ここは・・・・・・え〜と、なんだろうこの世界観。ハイジと歌のお兄さんとパンダとライオンとトラと九官鳥とカッパと・・・。
そしてそれを見守る北欧の人々・・・

お前らだれやねん!

 
そんな世界観に戸惑っていたら、ラジオ体操が始まった・・・。もう何も言うまい。
でも子連れも多く、みんなすげえ楽しそう。
そしたら、その辺にいた奴らが「ラジオ体操にめぐり合うなんてラッキーですよ」と言ってきた。
どうやら、この近くに寄らないと全く音の聞こえないピアニカで進められるラジオ体操は開催時間不定のレアなステージらしい。
別にうれしくも何ともないので降りる。

まあ、子連れなら行って損はないかも。すごいピースフルだし。

上には食べ物がほとんどないので、降りてから朝霧ジャムへ。
今年の新作はシチュー+丼だ。じつはこの下に米が雑炊みたいになってる。見た目はアレだが超美味かった。
なんか、今年はメシを外してない。つーかフジのフェスめしレベル高すぎ。


そんなフェスめしに舌鼓を打って移動していると、ホワイトの上り坂で人だかりが。誰だ?
みんな興奮してサインもらってる。
気さくに応じてる女性。細身だけど、腕の筋肉すげえなあ。
まあ、スルーしとくか。
(これが後にMATT&KIMのKIMだと分かる。)

さて、時間は大量のシャボン玉と音楽でキッズも思わず踊りだす。ここはヘヴン。

キティなんとかってバンドでノリノリのキッズに悲劇が・・・・。


ヘブンの世界をぶち壊す化け物。
今年はこんな方々です。
ええ、もちろんキッズはドン引きでしたよ。トラウマになるんじゃないでしょうか。
トラウマこそロックの原動力。心に闇を抱えて、いい音を奏でる、くら〜い大人になるんだぞ♪


そんなマッドな祈りを捧げた罰か、ものすげえ食欲をそそらないヒワイな2トップを売りつけられた。
うわあ・・・食いたくねえなコレ。
あたりは暗くなり始め、オレンジコートではラルーダが始まった。

コイツラもなにげに評判が良い。
たしかに、持っていた二本の棒切れでドラミングしたくなる音楽だ。
もうちょっと見ていたいけど、そろそろザックの時間だ。ホワイトにいかなくちゃ。

 
幻想的な夜の林道を歩きながらホワイトへ。
そこで、スタッフの声が響き渡る。
「え〜ホワイトは入場規制の可能性で、行っても見られない可能性もあります」

!!マジか!?まだ始まってねえだろ?

これが到着時のホワイトの様子。
どうやらクロマニヨンズ→ワンデイライオン→MGMTの流れが強烈過ぎて、クロマニの途中からすげえことになってるらしい。
ただ、噂の入場規制までにはなってなくて、なんとかザックの始まる前には中盤に潜り込めた。

 
雨が降り出して、熱気で蒸気の立ち込めるホワイトステージ。大歓声の中、ワンデイ・アズ・ア・ライオンの登場。
ザックはレイジの時よりリラックスした感じだが、その攻撃的なパフォーマンスは相変わらず。
ベース、ギターがいない代わりにシンセがギター音やベース音も担当。完全に3人でバンドしてる。
挑発的かつ扇動的なテンション。髪を振り乱し、一心不乱に歌い上げるザック・デ・ラ・ロッチャ。
このLIVEに感動を覚えた人間は多い・・・が、だがしかしだ。
これってレイジを離れてやる必要のあることなの?解散していた時ならまだしも、グルーヴの方向性はやや斜めになったようにしか思えなかった。
まあ、ソリッドさと引き換えに芯の強い大陸系の音楽にはなってる。
でも、それでも心に突き刺さるようなパフォーマンスではなかったように思う。

ザックのパフォーマンスが終わっても、全く衰えないホワイトの熱気。
というか、完全にキャパがMAXになった。
それでもおしくらまんじゅうにならないのはフジのいいところ・・・なんて思っていたけど

ちがう。入場規制がかかってる。
もはや会場内の人々はホワイトステージへ入ることができない。
・・・これは、完全にMGMTが規格外のバンドであるという証明である。
なんせ、久々に現れた『シーンの方向性を変える力』をもった連中である。
おまけにグリーンでやってるのは、ブライアンイーノのいないロキシーミュージック。
こっちはブライアンイーノ完全監修のセカンドアルバムである。今のロキシーよりイーノのカラーはMGMTの方が強い。

そして、大歓声の中あらわれたのは、オリジナルの二人にサポートを加えたバンド編成のMGMTだった。
 
ベン・ゴールドワッサーはなんか白い布でどっかの新興宗教の教祖みたい。
対照的にアンドリューはブルックリンのおぼっちゃんて感じ。

さて、個人的にブライアンイーノ監修の2枚目が気に入らないオレだが、演奏のほうはどうでしょう。
本人達的には二枚目中心の構成が望ましいようだけど、いかんせん持ち曲が少ないのに、タイムテーブル上はこの長さ。
もはや、全部歌うしかないみたいな展開。
で、やっぱ一枚目の曲が盛り上がる。仕方ない・・・。

なんか知んないけど外人グループに囲まれてすげえ話かけられる。
「Are you Happy?」
日常会話で言われると思わなかった。
ビールも飲まされたり、社交ダンスを踊らされたり・・・まあ、楽しみましたが。
音楽は世界を一つにするみたいなことをすげえ言ってた。
てか、どこの国の連中なんだろう。あんまり綺麗な英語の発音じゃねえケド。

そんな感じでkidz突入。ボルテージ最高潮。
テッテッテッテ〜タ〜タラッタッタ〜♪
ドカン!
オッオッオッオ〜オ〜オオッオッオ〜♪
この曲の盛り上がり方はハンパなかった。

演奏が終わったのに響き渡るオーディエンスの「オッオッオッオ〜オ〜オオッオッオ〜♪」
大合唱だ。
あまりの展開に戸惑ったのはMGMTの方だった。ちょっとはにかみながら、みんなの合唱に合わせて腕を上げる。
ホワイトステージに、ほんの少しだけ奇跡が下りてきた夜だった。

・・・照明が落ちたステージ。みんな帰路に着こうとしてる中、パツキンのネーちゃん(多分MGMTのスタッフ)が興奮して客席に手を振ってる。
OK、OKよかったよね・・・・お!?

なんでか分からんねーケド、興奮してシャツをめくり上げる。
おっぱいポロリ・・・てゆーか見せつけてくれました。
みんな帰ろうと後ろを向いていた人ばっかだったので、あんまり目撃した人多くないかも知れんけど
ホワイトステージに、また少しだけ奇跡が下りてきた夜だった(苦笑)


MGMTが終わり、規制解除が解かれた林道。オレンジのエゴラッピンも気になるが、今から奥に向かっても間に合いそうに無い。
仕方なくグリーンへ。
残念ながらボードウォークは封鎖中で、大混雑の林道帰宅ラッシュに飲まれるしかなかった。

ツレは規制解除のせいではないが
「問題の」クリスカニンガムを見ていた様子。

そう、あの、クリスカニンガムです。
ヘッドライナーが終わり、MGMTという超ド級の新人をウラに置いたスマッシュのスタッフは、『見てほしいけど見せてはいけない天才』を
うま〜くタイムテーブルの中に組み込んできたと思う。

元々、音楽家ではなく映像監督のクリスカニンガムは、その音楽に合わせて映像を作り、視覚的にオーディエンスをノックアウトする。
しかも・・・そのセンスは常人には図れないほど変態的。
LIVEを見たツレが25歳以上の、多分オトコにしか見せちゃいけないようなパフォーマンス・・・と表現していた。

裸で殴りあう男女に、音に合わせて頭の変形する幼児や犬。間接をキメる音で音楽を構成したり・・・
中には「グロくて見てられない」という人もいるらしいが、当然クリーンな映像もあり、日産やSonyもCM映像で採用しているほど。
決して予備知識なしでは見ていられない奇才なのです。

あ〜見たかったな〜。今年Warpやんないかな〜。

そんなことを話ながら、ポテトを食って宿に帰るのです。



・・・3日目につづく・・・

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