1 Fuji Rock Festival 2010 2010.7.30〜8.1 at 苗場スキー場
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3日目 8/1

さて、問題の最終日である。

なんつったって、世界一のカリスマがやってくるわけで、恐らく19:00過ぎのグリーンはエライコトになるだろう。
まあ、今からそれを考えても仕方ないので、とりあえず陣のレジャーシートを交換して朝飯を買いに苗場食堂のエリア(オアシスエリア)へ
 
で、昨年からハマっている五平餅を食う。
いやあ、安定した味だ。ツレにも勧めたら、えらく感動してた。

今日は少し遅く出発だったので、この時点でAM11:30。
ちょっとだけマーキーをチェック。

あんまし好みじゃない・・・。


苗場食堂むかいのフジテレビのブースでは、全ステージの現在の状況がLIVEカメラで同時に確認できる。
・・・と、ホワイトに写ってるのは昨日、坂でサインに応じてた奴らだ。
MATT&KIM。そうか、二日間出演なのか。でもホワイトでやるってすげ・・・
画面に映し出された映像では女性ドラマーのKIMが信じられないテンションでドラムを叩きまくる姿。
・・・すげえ・・・。
あの腕の筋肉はこのためにあったと言ってもいい。

かなりの客を集めているホワイトステージ。人気あるみたい。
にしても、込み合う2010年の三日間の中でも、今日は一番やばい。例年、土曜が一番に混むはずなのだが、今年はやはりトムの効果か。
聞くところによると、アメリカとイギリス以外の国では、世界でこのフジロックが初めてのお披露目になるらしい。
どうりで外人客も多いわけだ。


さて、グリーンステージではオーシャンカラーシーンの登場。
UKど真ん中の直球ロックンロールバンドだ。
90年の匂いがする・・・・。
 
三十路突入の世代にとって90年代のロックってやっぱり重要。
なんか、80年代でメチャクチャになった60、70年代を必死に取り戻そうとしているあの頃のロックは本当に美しかった。
混じりけの無い、ディープブルー。それがオーシャンカラーの音だ。
ポールウェラーから受け継いだモッズスタイルのロックは、紛れもなくUKの証。
どうしたって古臭く聞こえてしまうけど、年代モノのヴィンテージというには若々しすぎる、その辺の音楽だ。

聞いている観客の世代も20代後半から30代の後半くらいまで。
もしかしたら90年代のロックって、我々の世代以外は受け付けてもらえなくなるんじゃないか。
・・・・・。
いや、多分違う。正確には受け入れられはするだろう。でも、我々の世代がピストルズが登場したパンクの時代の空気が分からないように
「同じような気持ちで受け入れることはできない音楽」ということなのだ。
レディオヘッドとかは00年代から以降も受け入れられる現在進行形の音楽だけど、たぶん、オーシャンカラーとかは違う。
色あせていく90's・・・それでも、やっぱり目を閉じればディープブルーの音がする。

ちょっとセンチメンタルな気分になって、グリーンを下がると、ゴミ箱にあの名台詞が。
これって、不意に飛び出したとしては深すぎる言葉だよなあ。


で、もっかい苗場食堂のむかいに行くと
そう『今日のスタッフは絶対に許さない。こんばんわ、クリス・ペプラーです』 (クリス・ペプラーが言わなそうな言葉 byケータイ大喜利より)

この人、ホントにず〜と同じ年齢に見えるよな〜。カッコイイ。
ゲストは昨日の朝見たトライセラだった。なんか10年以上やって、ようやくフジのステージに立てたって喜んでた。
フジって、何年かバンドやって、変に方向性が定まっちゃうと中々出演オファーが来なくなっちゃうからなあ。
それに、ファン層が固定されてたりすると、フジの観客って嫌がるし。

どうやら話は昨日のジョンフォガティのステージに移ったようだ。
雨が降り出した時に、超名曲「雨を見たかい」を演奏して感動に打ち震えたって内容。
うーん。いい話だ。

そんな事を考えていたら妙にもよおしてきたので、ツレを残して回転の速い男性専用の小トイレへ。
トイレも、三日目だけど清潔さを保っている。
これって数年前から、すげえ改善したと思う。スマッシュには拍手を送りたい。
今、拍手するとションベンがこぼれるので後にしよう。

で、アルコールで手を洗浄していたら不意に肩を叩かれる。
「先輩じゃないっすか」

会社の後輩である。
「おお、お前来てたんか」
「いやー絶対、先輩だと思いましたよ」
「なんでだよ。」
「分かりますよ、そのカッコ見りゃ。」

・・・昔、付き合ってた子にもらったアヤックスのアウェイのユニフォーム。これがポイントだったらしい。
「そんなマニアックな人気ユニフォーム(矛盾してねえか?)持ってる人いないっすよ」
麦わら帽子とコロンビアのショーパン。三脚イスに、腰にはオーパシのバック。防水の靴!・・・は別に関係なかったらしい。

「乾杯しましょうよ!」ってことで
「んじゃあ、一番空いてるハイネケンのブースだな」(ドリンク専用のブースは回転が異常に早い)

乾杯しながら状況を話す。どうやら今日だけの参戦らしい。湯沢に宿とってるらしい。
ハイスタどっぷり世代の奴なので、難波がStay GOLDやった時の状況を教えてもらった。
ステージの、その時だけの盛り上がりがでかすぎて、逆に悲しくなったらしい。
お目当てはやっぱりトムヨーク。一緒に来た彼女とダイアンバーチとブンブンのチョイスでケンカしてた所(笑)のようだ。
ダイアンバーチ・・・オレも好きなんだけど。

で、一日目と二日目の状況を教えてやったら、クリスカニンガムマニアだということが発覚した。
うううむ。コイツは変態だったのか。
8月のイベントにコイツを出張に出すことにしてたので、ちょっと不安になる。

後輩と別れて、ヴァンパイアまでの時間つぶしにメシを食うことに。
ワールドレストランでアボガドロコモコを購入。

卵がのってねえ・・・・。
どうやら、卵が売り切れで値下げ開始だった模様。
周囲を見回すと、確かにどこもかしこも完売や、一部素材が無くなって値下げを始める店が出てきた。
そうか・・・三日目なんだよなあ。これで今年も終わりかあ・・・。

感慨にふけりながらグリーンステージ。

ヴァンパイアウィークエンド登場。
今のところ、着実に世界的な名声と成長を続けているバンドだ。
その、今にも踊りだしたくなるような展開は、単なる一過性のブームではなく、それはこの時のオーディエンスの反応が示していた。

大人から子供まで踊りだす。
パーティーの始まりだ。

天気は崩れ始めたが、ステージはそんなことお構いなし。
もうちょっとだけ、バリエーションが加われば、多分すごいバンドになると思う。
て言うかこの若さでグリーンに立つって事がすごいんだけど。

で、次はFOALS。

新譜の出来栄えから、どーしてもパフォーマンスが気になってた。
どうもVoがマイクの音量を気にしてる。元々通りやすい歌い方じゃないので仕方ないともいえるが。
そんな感じだったので、イマイチ消化不良・・・と思いきや
インストの曲で海を感じさせる轟音。

おお・・・。コレはすごい。

瞬間、瞬間で可能性を感じさせたLIVEだったが、もうちょっとかな。

グリーンに戻るとブンブンが始まっていた。

早くもトムヨーク待ちの連中もいるようだが、やっぱりブンブンは盛り上げ上手。
みんなタオルをブンブン回してハネまわる。

キックアウトは当然ながら、新譜からもノリのいいのがチョイスされて
テンションは高いまま突っ走る。

横目で見ながら、多分オレは最初から最後までは持たないだろうな・・・と思っていた。

ブンブンが下がると、日は一気に落ち始めた。
そしてザワザワ スタート。

ざわざわ・・・ざわざわ・・・・(注・参照カイジ)

・・・・・・そう、トムヨークがレッチリのフリーを引き連れて苗場にやってくる。
恐らく、現時点で、生の演奏を見た人間は数えるくらいだろう。見たことあるのは業界人くらいだ。
みんなYoutubeくらいでしかチェックできていないのだ。
日本初上陸。奇跡のアトム。


誰もが一目でも、そのステージを見ようと、ぞくぞくと集まってきている。
・・・こんな異様な雰囲気の集まり方も珍しいんじゃないか。

 
時間通り、あっさりと登場したトムヨーク。
第一声が「イラッシャイマセ〜」だった。

細身の体にタンクトップとヒッピーなのかテニスプレーヤーなのか分からないヘアバンド。
そしてもの凄いテンションで肩を振りながら踊り狂うトムヨーク。

鳴り響くのはフリーのベース音。
youtubeで音が割れているのはフリーが頑張りすぎているから。

このテンションは・・・完全にレディオヘッドではない。
なんだ、この大陸系な音楽は。音楽と言うか・・・楽器の演奏は・・・。
大地が鳴っている。

トムの歌声も天から降り注ぐようないつもの聞こえ方ではなく、大地から湧き出しているように聞こえる。
スケールのでかさは世界でも類を見ないレベル。

いまだに原盤がトムヨークのソロだけなのが惜しい。
このバンドで録音した音源を出してくれないものか。

にしても、トムの調子は・・・なんというか別人ぽい。
「ウシャシャシャシャ」って笑うし。
「ウッ!ハッ!」っていうテンションとダンスも。
とにかく自由だ。

出来は・・・素晴らしい。掛け値なしに。
コラボユニットでありながら、異常なほどの安定感がある。
ネームバリュー関係なく良いバンドだと思う。
トムヨークとフリーという色眼鏡が無くても、たぶん、ずっと見ていられる。
なのに、オレには使命があった。

まだ20:00くらいなのに一回下がるアトムズ。
この隙に、グリーンの後方からホワイトへ。
まだまだやるんだろうな・・・と後ろ髪を惹かれまくりながらガラガラの林道を駆け足で歩き、ホワイトステージ。

うわ・・・空いてる。
多分、どこのステージもこんな感じだろう。
イアンの出番まであと5分なのに、最前列にチラホラと人がいるくらいでイスも置ける。
今、1000人もいないな。

そんな中、律儀にイアン・ブラウン登場。
 
大丈夫かな・・・。怒って帰っちゃったりしないかな・・・。
なんて思ってたら、上着を脱いで・・・

I Wanna Be Adored だ!!

マジか!!
ぶっとんで鼻血が出そうになった!

あわわわわわわわわ・・・・・
ダメだ今でも表現できない。

狂ったように跳ね回るオールドファン。そしてオレ!

まさか・・・自分のロック史の始まりの歌が流れるなんて・・・。
なんて低く、なんて美しく、そしてなんて魂が揺さぶられるイントロ。
そして、イアンの声・・・
あああ・・・・
・・・・あ?

あ、外れてる。安心した(笑)。
このまま、綺麗な流れでいかれたら気絶する所だった。

上手くはない。だってイアン・ブラウンだもん。でも、この曲は反則だよ。
アトムズを切り上げた来た人たちだけが聞くことが出来た、一曲目のギフト。
ストーンローゼズ・・・・・・。

もう、記憶がない一曲目が終わって、イアンのソロへ。
それもベスト的選曲。
ダンサンブルだけど、ロックの要素が見え隠れする、正にイアン・ブラウンの音。
これぞマンチェスターの音。
オアシスもニューオーダーも敵わない。キング・モンキー。
あの細身で小さな体から、どうしてこんな音楽が生まれるのか。

踊りまくっててあんまり気づかなかったけど、いつの間にか人が増えてきた。
そうか、アトムズが終わったのか・・・。
でも、こっちはそれどころじゃねえんだよ。
諸手を上げっ放しのイアン・ブラウンのLIVE。なんてグレートなんだ。

そして、最後に流れたのは・・・

Fool's Gold だ!!

またしても狂喜乱舞のホワイトステージ。もう、みんな気が狂ったようにウキー、ウキー言ってる。
うわあ、すげえなやっぱこの曲。
て、すげえなこのオーディエンスの雰囲気。

ふと振り返ると、人の波。・・・・うそだろ・・・。なんだこりゃ。
多分、10000人以上いる。
さすが、兄貴。

Fool's Goldは結構長めのナンバーなんだけど、やっぱりコレも記憶がぶっ飛んでて表現できない。
あまりにも個人的な思い入れが強すぎる。
曲が終わってイアンが引っ込んだ時に、ようやく我にかえった。

いやあ、すごかった。

グリーンに戻ると、以外にもマッシヴが出てきたばっかりのタイミングだった。

新作、激賞されてるけど、個人的にはイマイチだったんだよな〜。
遠めで見てみる。

うむ。音源よりもLIVEの方が良い。
以外だったけど、そういうバンドなんだな。

オーディエンスを飲み込むような黒い渦。それがマッシヴの真骨頂。
悪くない。

分かりやすくは無いかもしれないけど、三日目のトリとしては相応しいんじゃないだろうか。
雨が降ってきたが、それもまたアクセントになってる。

ただ、マッシヴには新しい部分を見せてほしかったので
その辺りがやっぱり残念だったかな。

雨が強くなってきたので、陣地を捨て、マーキーに非難。

最後の食事。もちぶた丼。
やや肉が固めだったが、やっぱもちぶたは美味い。

そして、帰り際のルーキーアゴーゴー。
 
今年も楽しげな感じだ。すごく文化祭っぽいけど。

と・・・あ!
 
ヤバイ!
奴らだ!
しかも、完全にオレ、ロックオンされた。

なんとか逃げ切ったが、近くの外人が目をつけられた。

そいつのツレの外人がオレのところにやってきて、耳元で「アイツ、ビビッて動けないみたいなんだ(多分、こう言ってた)」
二人で爆笑。

何故かハイタッチして帰路につく。
今年は月曜休みで、日曜の夜も宿があるので、非常に助かる。
けど、やっぱり終わってしまった感が拭いきれない。
クロージングのシザシスを遠くに聞きながら、2010年のフジロックが幕を閉じていく。

コレほどまでに実力的に恵まれたメンツのフジは、もう何年も無いかもしれない。
でも、やっぱり、誰が来ようとも来年も必ず来なくちゃ。
そう思わせてくれる。

Thank you FujiRock.
See you Next・・・・


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